月別アーカイブ: 2012年3月

レッドクラスについて

8ヨガでは、基本的にマイソールスタイルで練習を進めています。マイソールクラスは、参加者の経験を問わず、一人ひとりが、それぞれのペースで、自分に合ったやり方で、ポーズを安全に進めていく最適の練習方法だと思います。

けれど、アシュタンガヨガというのは、ポーズを”正しく完璧に”行うことが目的ではありません。沢山の連続するポーズを通して、”呼吸と連動した動き”に自身をチューニングすることが、とても大事です。そのために、アシュタンガヨガでは、ポーズとポーズをつなぐ全ての動きと呼吸が、キッチリ決められているのです。

この決められた一連の呼吸と動きの連動は、指導者のカウントに合わせて全員が一斉に練習を行うレッドクラスに参加し体験することで、自然と身体に刻まれてきます。レッドクラスでは、自分都合の呼吸のペースや、ポーズに深く入るための余分な動きは一切制限されますが、その条件下で自分ができることだけを、ただ淡々と行う練習をとおして、余分なものを手放し、よりシンプルに、心の集中へと近づいていきます。


マイソールクラスに慣れている練習生の多くが、レッドクラスを嫌うのは、時間をかけてゆっくりポーズに入る”自由さ”が、レッドクラスには欠けているからでしょう。特に苦手なポーズでは、一息でポーズに入っても中途半端だし、ゆっくりとしたカウントの5呼吸はキツイ・・・、そんな不満がレッドクラスにはつきものです。

でも、それでいいんだと思います。マイソールクラスでは、ゆっくり時間をかけてポーズに入り、しんどいポーズは1~2呼吸で終了。途中のビンヤサではトイレへ行ったり、髪を結わきなおしたり、1呼吸のはずの下向きの犬のポーズで5呼吸して休憩・・・と、勝手気ままに練習しているのですから、たまに参加するレッドクラスが、きつく厳しく感じられて当然です。

マイソールクラスでは、”ポーズ”という目的のために、自分の身体を探求します。自分の身体に合わせた適切なアライメントで、じっくりと時間をかけて、身体の負担を少なくしながら、ポーズの完成形に歩み寄ります。これは、特に初心者の方には、とても大切なアプローチだと思います。

一方レッドクラスでは、”ポーズ”への執着や、慢心というエゴを手放します。できる・できない、に囚われず、その時の自分をあるがままに受け入れ、ただ決められた呼吸と動きに、自身を同調させていくことで、このアシュタンガ・ビンヤサ・ヨガのシステムが、どのように私達に働きかけてくれるのか、動く瞑想とはどのようなものなのか・・・を、実際に体験させてくれるのが、レッドクラスなのではないかな、と思います。


私たち地方の宅練アシュタンギにとって、毎日の練習はセルフプラクティスが基本です。時間が取れればマイソールクラスに通い、アジャストやアドバイスを受け、時に新しいポーズへチャレンジします。そして理想的には、定期的にレッドクラスで、正しいビンヤサ=”呼吸・ドリスティ・アサナ”の組み合わせを、身体に落とし込むことで、さらなる練習の広がりとバランスがもたらされるのではないでしょうか。

レッドクラスもマイソールクラスも、どちらか一方が優れているわけではなく、どちらも違った意義があり、どちらも同じように大切です。8ヨガでも4月より、より通いやすい日時にレッドクラスを移行します。これを機に、ぜひバランスのとれた練習を!

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4月からのスケジュール変更

少しずつ春めいてきては、また寒さがぶりかえすこの頃ですが、山の木々や土の下の生き物達、そして私達の心と身体も、一歩ずつ確実に春へ向かって躍動を続けている、そんな季節です。

2月から始まりました8ヨガも、地元逗子や鎌倉、そして厚木や三浦半島からと、早起きが辛い季節にも関わらず、朝練を始める方々が集まり始めています。これまでスタジオへ通える環境がなかった宅練アシュタンギのみなさんが、週に1回でも2回でも、早朝の粛々とした時間帯に、思いを同じくする仲間達と一緒に練習する場となれることを、嬉しく思います。

 

さて、4月より、クラス内容とスケジュールの変更があります。
鎌倉クラスに月1回のレッドクラスが加わり、逗子クラスのレッドクラスが(金)夜→(土)朝へ移ります。

【鎌倉クラス】
第1金曜日
プライマリーレッドクラス 6:30~8:00am
調息法&瞑想 8:00~8:45am *任意参加です

その他の月~金・・・ マイソールクラス 6:00~9:00am

【逗子クラス】
毎週(金)・・・ 夜のプライマリーレッドクラスは3月末をもって終了

隔週(土)・・・ 第2・4土曜日
プライマリーレッドクラス 9:15~10:45am
調息法&瞑想 10:45~11:45am *任意参加です

第1・3・5土曜日
ハタヨガ入門  9:30~11:00am

土曜日のリラックスインヨガ、日曜日のマイソールクラスは、これまでどおりです。

基本に戻る、ということ ~バリー先生のワークショップによせて~

本来アシュタンガヨガはとてもシンプルなシステムです。

インド古来から伝わるヨガの叡智を、パタンジャリが編纂した「ヨーガスートラ」。そこに定義される八肢則を、現代の私たちが体現できるように、故シュリ・K・パッタビ・ジョイス氏(=グルジ)がシステマテックに考案したのが、アシュタンガ・ヨガ・ビンヤサ・システム(以降アシュタンガ・ビンヤサ・ヨガ)です。

サマスティティヒから始まり、太陽礼拝を経て、一連の流れ(シリーズ)の練習を行い、またサマスティティヒに立ち戻る、私たちの日々の練習。このアシュタンガ・ビンヤサ・ヨガは、それを行う場所がどこであれ、行っているポーズが何であれ、基本はすべてみな同じです。

決められた呼吸
決められた視点
決められた姿勢

これら「呼吸=プラナヤマ・視点=ドリスティ・姿勢=アーサナ」はトリスターナと呼ばれ、アシュタンガ・ビンヤサ・ヨガを特徴つける重要なポイントです。このシステムにおいては、最初のサマスティティヒから最後のサマスティティヒまで、すべての動きと視点と呼吸の組み合わせが、キッチリと決められているのです。

身体が硬い/柔らかい、体力がある/ない、頭が固い/柔軟、チャレンジ好き/臆病気味・・・ といった千差万別な体と心のコンディションに加えて、経験、年齢、性別、環境・・・ といった条件のバリエーションを考慮すると、ひとりとして同じものはなく、人の数だけ、その練習があります。同じポーズをひとつとっても、20年来の練習生と、始めて間もない練習生とでは、まったく異なるアライメントや効能となるはずです。

それでも、ポーズの形の美しさや、動きのなめらかさ、といった、私たちが惑わされやすい「表面に現れる事象」に惑わされず、継続的に練習することによって初めて、このアシュタンガ・ビンヤサ・ヨガの本質に触れることができるのだと思います。

両手が床に届かなくても、ジャンプバックでお尻が持ち上がらなくても、今の自分のコンディションが許す範囲で、決められた呼吸、決められた視点、決められた姿勢を、意識的に行い、何度も繰り返す、その大切さも、実際の練習の中ではついつい見落としがちです。

なぜなら私たちは、「見た目がカッコイイ」とか「高度やポーズをこなしている」といった表面上の事柄に囚われやすく、練習そのものが「ポーズ獲得」という目的達成のツールに摩り替わることがあるからです。これは言い換えると、「いま/ここ」にある実際の現実を拒絶し、「いつか」という未来に幻影を投影しているようなもので、ヨガの意義とは真逆に振り子が揺れてしまってます。

「いま/ここ」 この瞬間に心地よく 「いる」 ということ

その大切さはアタマではわかっていても、実際に練習を始めると、やれハムストリングスが固い、やれバックベンドが辛い・・・と、それどころじゃなくなっちゃいますよね。でもポーズの練習を、「決して手を抜かず、しかし無理もしない」、といった、程よいバランスの中で行うことこそが、アサナ=ポーズの本来の意義なのです。

アサナとは、スティラでスッカムである
(どっしりと力強くゆるぎなく安定しており、同時に緊張から放たれた心地よさがある状態である)スティラスッカムアーサナム/sthira sukham asanam」
ヨーガスートラ第2章46節

つまり、アサナ=ポーズの練習というのは、互いに相反する両極の間でバランスをとりつつ、常に変化している「いま/ここ」に留まることであって、準備ができていない心身で理想のポーズを追い求める足掻きでは、決してないのです。

アシュタンガを始めたばかりの人も、何十年も練習を続けている人も、アシュタンガヨガの練習生として、私達はみな同じです。身体能力やポーズの違いは、些細な表面上の事象にしか過ぎません。実際私達が行っているのは、そのポーズのカタチや種類が異なっていても、「決められた呼吸、決められた視点、決められた姿勢」という基本においては、なんら違いはないんですよね・・・。

不思議なことに今回のバリー先生のワークショップは、当初「セカンドシリーズ」に焦点をあてた内容をリクエストしていたにも関わらず、なぜか気がついたら、この「アシュタンガヨガの大切な基本」を改めて再確認するような内容に、自然と流れ着きました。

そういえば、これまでのバリー先生のワークショップでは、「なぜ私達はヨガをやるのか」という問いに、私達ひとりひとりが真摯に向き合うキッカケを、常に与え続けてくれました。一見とても肉体的にハードなヨガと捕らえられがちなアシュタンガヨガが、いかにして単なる「体操・運動」から、「精神的な成長を促す学び」となりうるのか?それは外側のポーズでは図れない、奥深い部分の気づきであり、その基をなす重要な本質の部分は、全ての練習生に平等に与えられたダルシャン(ブレッシング=聖なる祝福)のようなものであるべきで、決してバックベンドで足首をつかめた人から順番にどうぞ・・・というようなものではないはずです。

しかしながら、日本のアシュタンガヨガ界の傾向は、ポーズの進度がとても早いのが現実です。時間をかけて基盤となる礎をゆっくり築くよりも、どんどんチャレンジして先のポーズに進む方がよしとされるようです。実際都内のヨガスタジオへ行くと、フルプライマリーだけではなく、セカンドやサードの練習をしている方々が、普通に沢山いらっしゃいます。

実は今回バリー先生のWSを企画するにあたって、これだけセカンド以降を練習する層が増えてきているのだから、セカンドシリーズにフォーカスした内容にしてはどうだろうか・・・?と提案をしました。これぞ、私自身がまだまだ「ポーズの進度」といった表面的な部分に囚われていた証拠なんですが(笑) それに対するバリー先生の返答は「NO」でした。そして、代わりに指し示されたのが、今回のテーマである 「back to basics 基本に立ち返る」だったのです。

たとえばセカンドのレッドクラスや、特定のポーズ克服のクラスといった、参加者の条件を制限してしまうような、限定されたポイントに特化するワークショップではなく、アシュタンガ・ビンヤサ・ヨガを練習する私達すべてが、要若男女や経験や肉体的条件を問わず、だれもが平等に学べる内容。アシュタンガヨガの本質に触れることで、私達個々がそれぞれに、自分なりの学びを深めていくワークショップ・・・、そっちの方が大切でしょう? と、バリー先生は黙ってそれに気付かせてくれました。

今回のバリー先生のワークショップに参加したからといって、バックベンドを克服したり、ジャンプバックやジャンプスルーが進化したりと、劇的に身体が変化することは、多分ありません。だけど、このワークショップによって、あなたの意識や、呼吸や、集中の質が、少しでも変化するなら、それは、どんな見事なポーズを獲得するよりも、とても素晴らしいことだと思います。

お時間ありましたら、ぜひともいらしてください。

Barry Silver Ashtanga Yoga Workshop @Zushi April 1st 2012

Barry Silver Ashtanga Yoga Workshop @Zushi
バリー・シルバー先生によるアシュタンガヨガのワークショップ

back to basics of Ashtanga yoga
基本にもどる・アシュタンガヨガ

毎回大好評のバリー先生のワークショップ、今回は、「アシュタンガヨガの本質」に焦点をあて、私達がもう一度アシュタンガヨガの基本に立ち返っていける・・・そんな内容の1日ワークショップです。

場所は、あのシャンティ・パワー・スポットの秋谷ヨガハウスさん。季節は、蕾と新緑が活き活きと躍動しはじめる早春。春の味をギュッと詰め込んだマクロビランチ&スイーツ。そしてチャーミングなバリー先生による、伝統的なレッドクラスと、奥深いレクチャークラス・・・なんとも贅沢な春の1日リトリートWSです。

アシュタンガを始めたばかりの方は勿論、ある程度の経験を積まれている方も、みんなでレッツ・ビギナーズマインド!心も身体もオープンにして、アシュタンガヨガの楽しさ、素晴らしさ、深遠さを、改めて再発見していきましょう。

【スケジュール】
4/1(日)
10:00~11:30am フルプライマリー レッドクラス
12:00~13:30pm アシュタンガヨガにおけるトリスターナについて(レクチャー)
13:30~14:30pm マクロビランチ

【会場】
秋谷ヨガハウス
神奈川県横須賀市秋谷4482-1
http://akiyayogahouse.blogspot.com/

【参加費】
1日6000円(8ヨガ会員割引5000円)
食事は別料金となります

【申込方法】
ご参加希望の方は
yumikomosley@gmail.com
宛にご連絡ください、場所や入金方法等の詳細等、こちらから追ってご連絡いたします。
また今回参加人数に限りがありますので、ご予約はお早めに。(事前予約は入金確認後に確定します)

【クラス内容】
フルプライマリー・レッドクラス
伝統的なサンスクリット語のカウントに合わせ、正しい呼吸と動きを連動させて、全員で一斉に練習をします。普段マイソールスタイルで練習をされている方には、見落としがちな正しいビンヤサを均等な呼吸のリズムに合わせて行う機会となります。アシュタンガヨガの経験者であれば、レベルを問わず誰でもご参加できます。(できるところまで練習して、途中から見学に回ってもOKです)

アシュタンガヨガにおけるトリスターナについて(レクチャークラス)
アシュタンガの練習が単なる体操ではなく、精神の成長を促す学びとなるための、重要な3つポイント=トリスターナについての理解を深めるレクチャークラスです。アーサナ、ドリシュティ、プラナヤマを介して体現するアシュタンガヨガの八肢則。その意味・意義を知ることによって、「なぜヨガをするのか?」の答えを探す、明確な指針が見つかることでしょう。

【バリー先生について】
ニューヨーク出身のバリー先生は、2007年より代々木上原でマイソールクラスを主催しており(現在は表参道に移動)、彼のヨガ哲学・インド神話・チャンティング・瞑想などの知識と経験の深さは、肉体のアサナだけに留らず、本来のヨガの広がりと深遠さを伝えてくれる数少ない指導者です。また一方、アーティストとしての側面も併せ持ち、規律と伝統、美的センスとユーモア、優しさと厳しさ、そして限りない愛を感じさせてくれる、バランス感覚抜群のヨギーです。1996年よりヨガを学び、2000年よりエディ・スターンの元でアシストを務め、2003年に故パタビ・ジョイス師より正式指導資格の認定を受けています。