月別アーカイブ: 2012年9月

アシュタンギのためのアレクサンダー・テクニーク

10/20から月に1回、アシュタンガヨガ練習生を対象とした「アレクサンダー・テクニーク」のワークショップを開催することになりました。

アレクサンダーテクニークは、からだとこころの癖に気づき、意思の力や頑張る心といった「エンドゲイニング(目的の達成や結果を得ることに駆られている状態)」から解放されることで、私達の身体に本来備わっている「活き活きとした生命の息吹」を呼び起こし、それが自然に広がっていく方向性へ身を委ねることで、軽くて自由な空間に満ちた「いまここ」への深いつながりを体験する、瞑想的かつ禅的な身心調整法です。元々は舞台俳優や音楽家の間で、パフォーマンス向上のための身体調整法として広まっていきましたが、現在そのアプローチは様々な分野で活用されています。

今回はアレクサンダーテクニークを長年学び、アシュタンガヨガの実践も深めているトシ君をお呼びして、アシュタンガヨガを練習する私達が陥りがちな「エンドゲイニング(目的達成)」的アプローチから、より繊細に・より自由に解放された”からだとこころ”をもつことで、日々の練習の質をより高めていく・・・といった、深遠かつ実践的な学びをシェアしていただきます。


アシュタンガの練習をしていると、どうしても力んだり、呼吸が荒くなってしまう。ジャンプバックやジャンプスルーといった、呼吸と動きを連動させる基本動作が苦手だ。肩や腰、膝や手首を痛めることが多い。苦手なポーズが、いつまでたっても苦手なままだ。練習中に自分の身体が重く感じたり、硬く感じたりする・・・

そんな方々にぜひ受けていただきたい内容です。

注意:このワークショップは、アレクサンダーテクニークのセッションを提供するものではなく、アレクサンダーテクニークのヒントを活かした、アシュタンガヨガのワークショップです。

【アシュタンギのためのアレクサンダー・テクニーク】

気づきと調和をもたらすアレクサンダー・テクニーク
より繊細に、より自由に解放された「からだとこころ」で
アシュタンガヨガ実践の中、瞬間にたたずみ
「いまここ」をリアルに体験していきます

シリーズ1:Doing(する)練習から Being(ある)練習へ
第1回 10/20(土) 15:30-17:30・・・キャンセル待ち
第2回 11/17(土) 15:30-17:30・・・キャンセル待ち
第3回 12/15(土) 15:30-17:30・・・日程変更となりました

講師:アラマキ・トシヒロ
場所:逗子市民交流センター

注意事項:
3回でひとつのシリーズとなります。単発での参加も可能ですが、できるだけ続けて参加することで、自身の変化を実感していただきたいと思います。月1回の講座ですので、ワークショップでの学びを生かした練習を1ヶ月続け、その中での変化を感じ、そして更に洞察を深めていきます。ミラクルのような急激な変化ではなく、じっくり自分の中で意識を育てていくことを重視します。

参加費:ドネーション(実際に受講していただき、ご自身にとって適切な金額をお払いいただくシステムですので、無理のない範囲でご参加いただけます)

参加資格:アシュタンガヨガの練習を継続的に行っている方。

参加申込み:メールにてお申込みをお願いしたします。 yumikomosley@gmail.com

講師プロフィール:

アラマキ・トシヒロ

学生時代から抱えていた心身の不調から、様々な療法やボディワークに取り組み始める中、アレクサンダー・テクニークに出会い、単なる受動的なワークではなく、自分自身によって自立的に自らの在り方に働きかけるそのアプローチに感銘を受ける。

現在アレクサンダー・テクニーク教師養成コースにて学びを深める傍ら、マイソール東京主催のタリックターミに師事し、アシスタントを務めながら、アシュタンガヨガの実践を日々行っている。

2013年アレクサンダーテクニーク教師資格取得予定。
トシ君の動画

スティーブン先生ワークショップ・レポート

今回はスティーブン先生と奥様のサチ先生のお二方を迎え、週末のワークショップに加えて、平日の早朝マイソールクラスと、5日間の長丁場は初めての試みでしたが、予想以上の大勢の方々に来ていただき、大好評のうちに幕を閉じました。

まずは鎌倉の大町会館での早朝マイソールクラス。普段ここで練習をしている生徒さんをはじめ、遠方から遥々来てくださった方々や、元スティーブン先生の生徒さん達もいらして、いつものマッタリとした練習場が、たくさんのエネルギーが満ち溢れる場へと様変わりです!

普段と違う環境で行う練習の違和感、期待、とまどい、高揚感などなど、さまざまな心と身体のゆらぎを経て、その中で生まれる新たな発見・・・ワークショップならではの想定外のハプニングに満ちた新鮮な体験を、参加された皆さんが経験されたことと思います。

特にマイソールクラスでは、スティーブン先生もサチ先生も、共に多くを語ることはなく、ただ静かにシンプルに、しかし、私達のとても深い部分へアクセスしてくるような指導をされます。何かを付け加えるというよりは、余分なものをそぎ落とし、そこに残ったものこそが大切にすべきものなんだ、と気付かせてくれました。

たとえば、より美しいポーズのために、より深く身体を開くために、より気持ちよく感じるためにと、私達が普段の練習で無意識に行っている癖・・・それはポーズに入る前のストレッチだったり、ガムシャラになるあまり荒くなる呼吸であったり、目を閉じて気持ちの良い感覚に身を委ねたりと様々です。そういった無自覚な執着の現れに自らが気づくことで、一旦リセットをするように、もういとちど改めてアシュタンガ・ビンヤサ・ヨガという、このシステムの本質に立ち返る機会を与えてくれました。

そしてまた一方では、苦手だったり、痛めた経験があったり、躊躇していた動きやポーズに対しても、「思い込み」を創り上げている心の閾値を一旦取り払い、まっさらな気持ちで真っ向から向き合っていく、そんな勇気も与えてくれました。

特に今回は5日間のマイソールクラスとあって、連続して参加された方々にとっては、じっくりと時間をかけて信頼関係を築き、これまでの色々な癖と思い込みを取り払いながら、新たに自身の課題と取り組んでいくプロセスワークを通して、沢山の変化、浄化作用、好転反応などなど、様々な反応があり、アシュタンガヨガの実践による深い効用を感じた方も多かったようです。

そして週末は、おなじみの秋谷ヨガハウスでのワークショップです。

平日の早朝マイソールは、参加者さんの殆どが練習後速攻で仕事へ向かうため、先生と語りあう時間はありませんでしたが、週末の2日間はレクチャークラスやワークショップ、そしてランチタイムを通して、スティーブン先生とサチ先生と、沢山のアレコレをシェアする機会に恵まれました。

そしてこの2日間を通してスティーブン先生とサチ先生は、「私達は一体何者か?なぜ私達はヨガをやるのか?」という普遍的な問いを、私達が常に意識するよう導いてくれました。私達が行っている、このアシュタンガヨガは、単なる娯楽や趣味とは異なり、身体パフォーマンスでも健康ストレッチでもなく、真の自己探求、普遍の真実を体現するための「ヨガという道程」そのものなのだ、と。

2日共に、質疑応答の時には、ポーズやプラナヤマに関するものから、ヴァーユやバンダに関するものまで、沢山の質問がありました。それらに対する回答は、決してクリアで優等生的なものではなく、ときに、たゆたうようにゆらぎ、掴み取るやいなや、指の間からスルリと流れていきます。

この最も粗雑な「肉体」という道具を使って、ヨガという道のりを、どのように歩んでいくのか?
アサナというツールを日々手にしながら、私達はそこに一体なにを見るのか?

本当の真実はひとつかもしれません。けれど、このヨガという道の過程で、見つけていく様々な答えは、私たちひとりひとりの数だけ、異なっているものなのだな、と感じました。そこに参加していた方々が、それぞれに胸に抱く、さまざまな問い。その答えは、先生から「はいどうぞ」と手渡されるものではなくて、その答えを探す旅そのものがヨガの道なのだ、と。

だからこそ、スティーブン先生は何度も繰り返し言っていたのでしょう。

ヨガは目的ではない。
すべての答えは、自身の練習と経験の中にある。

私達練習生は、指導者に対して、あまりに多くのものを求めがちです。たとえばできないポーズがあったり、練習に不安や障害があれば、「どうすればいいですか?」と安易に質問をしては、ヒントやアドバイスを求めることで、安心を手に入れたがります。でも、それは、あなたが自分自身で時間をかけて、体験して見つけていくことなんだよ・・・というメッセージが、カンファレンスやワークショップのお話を通して、少しずつ私達の心に染みわたってきました。

今回のワークショップは、アサナの技法やアタマの知識を詰め込むようなものではなく、もっと私達の奥底を揺さぶる本質的なパワーに満ちた、一種のプロセスワークともいえる5日間だったのだなぁ、と、連続して参加された方々の変化を目の当たりにして、そう痛感しました。

スティーブン先生とサチ先生の、真摯な教えに感謝するとともに、長丁場ながらも都合をつけて参加してくださった皆さん、そしていつもながらの素晴らしいホスピタリティ精神に満ちたJUNさん&リビーさん、そのどれが欠けても、このワークショップはできなかったと思います。ありがとうございました!

そして、今回は特別企画です!

下記、参加された方々の感想です。さまざまな、気づきや発見、そして変化・・・ ご参考までに、ぜひ一読を。(ご協力ありがとうございました!)

Aさん
5日間のスティーブン先生のクラスを私は4日間受ける事ができました。
4日間の間に変わっていってる身体の変化を感じる事ができ、苦手だった股関節を開くアサナが少しずつだけど気持ちよく深くなってる事、毎日する練習の大切さや続けて先生に見てもらえるありがたさを改めて感じた4日間でした。
この機会をあたえてくださった方々、出会った方々、すべての皆さんに感謝します。

Bさん
5日間マイソールに参加して、熟達した先生の側で続けて練習することがどれだけ大切かを痛感しました。
自宅で練習することも多いのですが、毎日練習しているはずなのに筋肉痛になるということはまだまだ体を使えていない証拠だとおもいました。しかしながら身体は筋肉痛ではあるけれども、身体が開いていくような何かが変わっていっていくという経験もさせていただきました。
スティーブン先生はまだまだ使えていない潜在的な力を引き出してくれつつ、自立することを忘れさせない厳しくも愛に溢れたご指導をしてくれたと思います。本当にありがとうございました。たのしかったです。

Cさん
平日のマイソール3日間と土曜のWSに参加しました。

初日はあんまりアジャストされなくて、あれ?と思っていたら、様子見ていたみたいで、翌日は私がいつもゆるーくやっている所をガシガシ。よく見ていらっしゃる(笑

私の場合はアルダバッダとかマリチDとかは股関節固いのでヒザにきてしまってる。ヒザが痛くてできない、と痛くない形でゆるいポーズを取っていると、「手伝うからやってみな」 と。そしてああしてこうして、、、と。アドバイスをくれて、結果、痛くなくポーズがとれた。

痛くなるのはやっぱり何かしら自分が間違ってたからなのだろうけど、そこを正して貰った感じだったし、時にはチャレンジはやっぱり必要で、痛めてしまったポーズの場合、その『チャレンジ』は今までのやり方と同じではいけないんだ、と思った。体が、間違ってるよって教えてくれてるのに無視してはいけない。

そういうわけで、日ごとにチャレンジしていく感じで一日々々練習は充実していった。

カンファレンスも熱心に色々答えてくれて、プラナヤマの話題は私にとっては基礎となる本も読んでないし難しくて深くはわからなかったけど、最終的にそれぞれのレベルにあった捉え方ができるように話してくれてたと思う。私のレベルでは、とにかく練習の中でまずは呼吸を正しくできるようにすればいいんだという理解。

私もひとつ質問。
『気持ちいい、もう少し続けたいと思うポーズは決まったカウント以上留まっていいの?』
『留まって問題ない。』
正しいポーズの場合同じポーズに3時間以上とどまれるらしい。ビックリ。1ポーズ3時間とっていたら日がくれるからなだけで、あと、ポーズにはそれぞれ効用があるから、どこかを治したいとか、その効用得たい場合重点的にやってもいいそうで、それも勉強になった。

私は去年まではジムでレッドクラスしかしてなく、あまり人との関わりがなかった。今年になってマイソールや、WSに参加し始めて色んな人に会うけど、ヨギはみんなほんとに心に壁がないなぁと感じる。まるで今まで知り合いだったかのようにみんな接してくれる。ヨガというひとつのツールを共有しているだけなんだけど、この一体感とかエネルギーはなんだろうな。面白い。

・・と、色々感じさせてもらったし、アシュタンガがもっと好きになった4日間でした。ゆみこ先生、スティーブン先生、みんな、この機会と場をありがとう!感謝!

Dさん

マイソール5日間とWSに参加。

無邪気、真剣、飽きっぽく、予測不可能なスティーブン先生。
智慧を得るための練習の心構えと、知識を少しだけ教えていただきました。

1.パタンジャリは、プラナヤマはアサナが安定してから実践するものと言ったが、呼吸はアサナを良くしてくれる。パドマーサナの最後の10呼吸でも新しい気付きを発見するものだ。賢者は、吸う息で 「私はブラフマン、私は意識そのもの」、吐く息で「存在するものすべては幻想」と心で唱える。

2.ヨガをする目的は何か。自分はいったい何者なのかを問いかけること。でも、言葉にできない。自分の中に自分の目撃者がいることに気づくことがある。ヨガとはこれを毎日の練習で突き詰めていくプロセス。突き詰めると、本当の魂が見えてくる。

3.アシュタンガヨガは、99%が実践、残りの1%は哲学、と言う。練習の中での経験を知識が助ける。アサナは見た目パーフェクトでなくてよい。長年続けることに意義がある。アサナの見た目でその人のヨガの深さを測るのは、よくある間違いだ。

4.呼吸が乱れると心も乱れている。カポターサナは難しいアサナだが、呼吸を均等にすることが大切。歩いている時、吸いながら5歩、吐きながら5歩進んで、呼吸に意識を向ける練習も効果的。

5.アシュタンガヨガは、週6日練習することで学ぶもの。マイソールプログラムは趣味やクラブ活動ではない。続けていくと今生で自己が見つかるかもしれない。練習で高めた自己探求の意識は、社会に出ても連続していないといけない。

6.ひとつのアサナに5呼吸以上時間をかけてもよい。そのアサナをセラピーとして使えばよい。ひとつのアサナに3時間保持できれば正しい、といわれている。

7.否定的な感情はエゴの産物であり、これは人間としての経験である。否定的な感情である6つの毒をアシュタンガヨガの練習で燃やすことができる。なぜなら、自分の目撃者になるということは、執着がなくなることだから。肯定的な感情はヨガの練習では消えない。

8.太陽礼拝は準備体操ではなく、強い意志を持って祈りをささげること、技巧的にならずシンプルに正しく行うことが重要。上昇するエネルギーのプラーナと、下降して排泄する力のアパーナを、バンダのコントロールでバランスを取ることにより、シュシュムナ・ナディにエネルギーを注入することができる。バンダは、プラーナやアパーナと同様に実体がないものかと質問したら、またまた答えているうちにあきちゃって自分で体験して答えを見つけよ、という結論。

スティーブンは私にとってアシュタンガの大先生になりました。いつまた帰ってくるかわからないけど、私の成長を見守ってくれる気がします。