ダン先生ワークショップ・レポート

フィンランドから一時帰国のダン先生による週末ワークショップ@秋谷ヨガハウス。心地よい秋晴れの空の下、たくさんの方々にご参加いただき、大盛況のうちに終了しました。

今回は、全ての土台となる、基礎の部分を大切にすることをテーマに、じっくりとていねいにアシュタンガヨガの「アサナ」の部分にフォーカスした2日間となりました。

一般的なアシュタンガヨガのワークショップでは、普段の練習ではなかなか触れられない部分にフォーカスすることが多々あります。それはスートラやギータを中心とした座学であったり、瞑想やチャンティングであったり、アイエンガー的アプローチによるポーズ解析であったりと、新鮮で刺激的な「something special/特別なナニか」に満ちています。

いつもの普通の練習の中では、なかなか見つからない何かを体験したい、新たなアプローチを知りたい、現状を変えるキッカケが欲しい・・・etc そういった思いや期待があるからこそ、私達はそのような様々なワークショップへ参加し、「something special/特別なナニか」を求め、沢山の学びを体験しようとしているのかもしれません。

では、その特別なナニかは、いつもの普段の練習や生活へ、どのように還元されるのでしょうか?チャンティングでもたらされた至高体験や、スートラによって説かれた深遠な洞察や、股関節を開くための特別なストレッチ方法は、私達のマリーチアーサナDとの格闘や、ストレスフルな日々の生活の中に、どのような奇跡や心の平安をもたらすのでしょうか?

これは、ワークショップを企画する機会の多い私自身が、ここ最近繰り返していた疑問でもありました。そして今回のダン先生のワークショップは、そんなモヤモヤとした疑問に、ハッキリと明確な道しるべを指し示してくれたのです。

今回のダン先生WSで最も印象的だったのは、そこに「特別なナニか」を提示することなく、全ての学びは「いつのも日々の練習」の中から生まれるものだ、という揺るぎのないメッセージでした。私達の「いつもの日々の練習」とはすなわち、この肉体をもって成す「アサナ」そのものだという事実、その再確認ともいえる2日間だったような気がします。

この週末ワークショップを通してダン先生は、アシュタンガヨガの「伝統的」と言われるアサナの取り方、アライメント、ビンヤサ、シーケンスといった基本の部分を、その変容のバリエーションを説明しながらも、本人がグルジ(またはシャラート)から直接教わったとおりに、そのまま私達へ伝えてくれました。

もちろん身体的な準備ができていなければ不可能なアライメントも沢山あります。けれど、その指し示された方向へ向かって、心と身体ができる範囲のことを「ただやる」ことの大切さ、それこそがアシュタンガヨガの真髄”Practice, practice, practice… and all is coming(ただ練習をおやりなさい。そうすれば全てはおのずと向こうからやって来ます)” なのだと、肌で感じさせてくれました。

「アサナにフォーカスする」と言うと、ついつい「アサナに執着する」と捉えがちですが、例えばアイエンガーヨガのように、ベルトやブロックなどの補助器具を使って、身体の特定の部位に働きかけながら、安全に確実に、そして最短距離でポーズの完成形へ向かうトレーニング的アプローチとは、まったく真逆なのが、本来のシンプルなアシュタンガヨガなのではないかな、と思います。

なぜなら、アシュタンガヨガは「トレーニング」ではなく「プラクティス」であり、アサナは「トレーニング」の目的ではなく、「プラクティス」のツールだからです。効率的なアイエンガーヨガで数ヶ月かかるポーズは、無鉄砲なアシュタンガヨガでは恐らく数年かかります(笑)。それだけの時間を費やし、トライ&エラーで模索しながら、何度も転びながら、たくさんの寄り道をしながら得る学びは、「肉体的なポーズの出来具合い」という結果とは、ちょっとベクトルが異なる気がしてならないのです。

さておき、ダン先生と共に過ごした2日間を通して、はっきりと明確に伝わってきたのは、ごくごくシンプルなことでした。

私達はアサナの練習をしています。
ただ単純にそれだけのこと。
それ以上でもなければ
それ以下でもありません。

しかし、シンプルであること=イコール簡単である、ということではないですよね。むしろその難しさこそが、私達の学びの源というか。「このシンプルな練習と、どのように向き合い、何を見出していくのか?」というのが、私達がヨガの旅路の中で、攻略本や近道ルートマップの手助けナシに、自ら探していく宝のようなものなのかな、と、そんなことを思いました。

さて、今回のワークショップには、地元の練習生の方々はもちろん、元ダン先生の生徒さんだった方々も大勢、遠路はるばる東京や福井から来てくださいました。アシュタンガの経験も、始めたばかりの若葉マークさんから、サードシリーズの実践者まで、とても幅のひろい参加者さん達が勢ぞろい。それでもダン先生の指導は、どんなレベルの参加者さんであれ、一環して基礎と基本を、とても大切にしていました。

マイソールクラスは2日共超満員御礼で、マットとマットの隙間が1ミリという状況になるヒトコマも!それでも、マットの上からはみ出さずに、チャレンジングなポーズの練習をする、そんな皆さんの心の落ち着きぶりには、ただただ脱帽、これもひとえに日々の心の練習の成果です(笑)

そして、マイソールクラスにおけるダン先生の指導は、「これはできない、それはムリ」と、私達が自己規制している限界を取り払い、自身の内に眠る限りない可能性をシッカリと感じさせてくれると、同時に、身の丈に会わない無謀な挑戦や、危険な自己過信を静かに戒めてくれる、そのバランスが絶妙です。

できる努力は惜しまない
無謀な頑張りはただのエゴ
身体と心の準備ができたら
ポーズはおのずとやってくる

そんなダン先生の教えが、ジワジワと参加者さんへ伝播していくのを目の当たりにして、気づいたことがあります。もしかしたら、健全なプラクティスの礎となる基本というのは、「もっと、もっと」とナニかを求めることではなく、「自分に正直に、等身大のままで、しっかりと地に足をつけ、己を知り、足りるを知る」ということなのではないか、と。

初日のカンファレンスでは、特にこれというテーマを設けず、参加者さんからの質問に答えつつ、インタラクティブに生まれる場の流れに乗りながらの、自由な空間でした。その中で、特に印象深かった質疑応答があります。

質問
3年ほど練習を続けているが、バンダというものが、どうもイマイチわからない。アシュタンガの基本であるバンダが理解できないまま、練習を続けても良いのでしょうか?

返答
自分では判らないと思っているバンダも、現在のアナタの練習に応じて、充分使われています。多分アナタが「こうありたい」と思っている、例えばジャンプバックやジャンプスルーをするには、まだ身体の準備ができていないだけだと思います。

イタリアのリノ・ミヤレという先生の話ですが・・・

「先生、どうしたらバンダが見つかりますか?」
という生徒の質問に対してこう答えたそうです。

「心配しなくていいですよ。アナタがバンダを探さなくても、バンダがアナタを見つけてくれますから」

いまできることを、ちゃんとやりましょう。それが練習です。そしてそれは、時間をかけて変化していきます。だから心配しなくて大丈夫です。

・・・ダン先生の練習や指導に対する真面目で真摯な姿勢が、とてもよく現れているなぁ、とキッチンで食事を作りながら、ついニコニコしてしまいました。

そして、楽しい(キビしい)練習の後は、お馴染みのマクロビランチです!毎回人数分プラス10人分は準備するのですが、今回もペロリ!とゴチソウサマ。ちょっぴり肌寒くなって、薪ストーブの暖かさを味わいながらの団欒のヒトトキ・・・。

ダン先生は日曜日のワークショップ後、東京へ一旦戻り、その翌日にはフィンランドへと帰国されました。超忙しいスケジュールの合間を縫って、貴重な2日間を私達と共に過ごしてくれたダン先生に大感謝です!

そしてもちろん、参加してくださった大勢のみなさま、いつもながらのホスピタリティで私達を迎え入れてくれたジュンさん・・・ この場を作り上げてくださった全ての方々に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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下記、参加者さんからいただいた感想やフィードバックです。書いてくださった皆様ありがとうございました!

「初めてWSに参加しました。細かく教えていただくことで、一つ一つのポーズの理解が深まりました。毎日の練習で、意識して取り組むヒントを教えて頂くことができたので、参加してよかったです。」 (Aさん)

「今回のワークショップは両日とも参加しました。初日、事前にユミコ先生から「細かいアジャストをする先生」だと聞いていましたが、実際そのとおりの印象を受けました。痛みが出るのであまり膝を曲げずにいたティリヤンムカイカパーダパシュチマターナーサナなどを鋭く見つけられ、アジャストを受けました(もちろん、ちゃんと痛みが出ることを伝えたら元の位置に戻してOKでした)。体がすでにとれるようになっているポーズをちゃんと取れるように重点的に指導するスタイルの先生なのかな、と感じました。

カンファレンスやワークショップではとても流暢な日本語で多くの質問に答えていただき、とても勉強になりました。アーサナの姿勢に関する話だけでなく、プラーナーヤーマに関する話やプライマリーシリーズからインターメディエイトシリーズに入るための条件など以前から機会があれば聞いてみたいと思っていたトピックに一通り触れていただいたので嬉しかったです。」 (Bさん)

「ダン先生のWSは去年も受けさせていただいたので2回目でした。アライメントでは今の自分では難しいけれどそこを目指していくという事、受けたアジャストではカポタアサナで、今までにない感覚を感じました(口では上手く説明できませんがいつもと違うところが伸びる感覚)で、来年もまたダン先生のマイソールを受けたい!!と思い帰って来ました。私にいろんな気付きを与えてくださる先生達に感謝です」 (Cさん)

「朝練では、練習前に腰と手首の痛みを伝えていたこともあって、スーリヤナマスカーラから手首の位置と肩の位置のアドバイスをしてくれました。いつもの練習では痛みがあるなら、痛くないように…と言われるだけ。もちろんそれもありだけど、痛みの原因になっているとおもわれる癖を教えてもらって、こうした方がいいかも…という押し付けがましくないアドバイス。ダン先生の優しさと謙虚さを感じました。

加えて、練習の邪魔をしないかのように発せられる小さな声でのアジャスト。ウッティッタハスタパーダングシュタではドリシュティとアゴを足につけること。ガルバピンダーサナでは手を頭につけて転がること。普段、いかに自分が適当に無意識に練習しているかを思い知らされた瞬間 !あ~プライマリーもまだまだだぁ~と…カンファレンスとWSでは、やっぱりキチンとマイソールに行ってる先生の話という印象。グルジやシャラートの話を交えながら、アシュタンガヨガがヨガとして目指すものを伝えてくれる。はっとしたのは、あーこれもアイアンガー的なアサナの取り方なんだ!ということ。疑うことなく練習していたアサナの形がアイアンガー的だったなんて! そして、カタチよりもビンヤサ。でも、カタチをつくるためにその人にあったアライメントはキチンと教えてくれる。そのバランスがダン先生は絶妙だなぁとおもいました。自分の練習や経験から感じたこと、得たことだけを真摯に伝える、それ以上のことはわからないと素直に言える先生ってホントに信頼できる。加えてとても謙虚。また、ダン先生の下で練習したいなと素直に思えたWSでした。」  (Dさん)

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