アシュタンギのためのアレクサンダーテクニーク第2回・レポート

10月に引き続いての「アシュタンギのためのアレクサンダーテクニーク」第2弾。今回もトシくん先生から静かに導かれる繊細な気づきに満ちた、奥行きの深い3時間を過ごすことができました。

 

 

今回は参加者さんの数が若干増え、2回目の参加となる方と、初めての参加の方の割合がちょうど半々。受け取り方も様々ならば、反応も実に様々で、その多彩さが微細に絡み合って紡ぎだす新たな空気の流れに、そこにいた全員が上手に波乗りしていたような、そんな印象。

 

 

まずは前回参加された方々から、WS後の1ヶ月という期間に、どのような意識の変化や気づきがあったかなどをシェアしていただきました。皆さんそれぞれが、日々の練習や生活の中で、それぞれのやり方で模索するように探求しながらも、”正しい答えは見つからない”もどかしさを感じていた様子です。その”もどかしさ”こそが、再度このWSへ足を運んだり、また足を遠ざけることとなったのでしょう。

その後、改めてアレクサンダーテクニークの概念や解剖学的理解をおさらいしてから、実際にATセッションを何人かの方々に受けていただきました。ATセッションを受けると、まさに「未知の経験」という刺激に満ちた時を経験するのですが、他の方がATセッションを受けているのを見ている時間も、都度トシくん先生の的確な説明も入るため、とても興味深いもので、明らかに姿勢が変わる瞬間や、呼吸の質や表情がガラリと様変わりする様子を、客観的に目撃することは、色々な学びに満ちた貴重な経験でした。

 

 

そして次は、アレクサンダーテクニークを応用したヨガポーズの時間を予定していましたが、このATセッションにおける「トシくん先生vs受け手」の一方通行ではないインタラクティヴな流れが、大きく広がり始め、気がついたらあっという間に時間が経ってしまいました。多分それは、正しいやり方や模範解答を、一方的に教えるのではなく、答えを探す道を共に歩む、トシくん先生の姿勢が端的に現れていたからなのかも。

客観的に見れば、「”アタマと頚椎の位置を調整する”という実に単純なコトを物理的に行っている」だけなのに、このATセッションという相互ワークを介して、私達個々それぞれが、内面のとても深い部分へと意識を向け、何かしらの”変化”を感じることとなるのが不思議です。それは、物事の捉え方であったり、気づかなかった癖であったり、疑いを持たずに信じてきたものを覆すナニカであったり・・・、実に様々なんですが。

 

たとえば、「反り腰で姿勢が悪いので、常に骨盤を意識するようにしていますが、ATをすることで、キレイな姿勢になれるのでしょうか?」という質問をされた方がいらっしゃいました。この方がセッションを受けていく過程で、”いわゆるキレイな姿勢”というものは、実際に自然で自由で解放された状態なのだろうか?意識的に努力を続けてキープする姿勢がはたして、本当に”キレイ”なのだろうか?一般的に言われる”キレイ”ってなんなんだろう?という疑問を自ずと解決していく様は、とても印象的でした。最後にこの方が、AT的に自然で無理のない姿勢をされたときに、見た目は”いわゆるキレイな姿勢”ではないのかもしれませんが、その内面の穏やかさは、とても美しかったです。

 

こんな風に、セッションを受ける方々と、それを見守る方々が、双方に影響しあいながら過ごした2時間こそが、今回のWSの重要な部分だったような気がします。他の方がセッションを受けているのを見ながら、モゾモゾと自分自身でも、ああかな?こうかな?と手探りしていく、ちょっと居心地の悪いような時間こそが、新たな学びを自身に落とし込み発酵させる、ほどよい時間だったようです。

そして最後に、実際にヨガポーズへの応用です。まずはトリコナーサナを、見本となる方へATセッション的にアプローチ。その変化を見て学んだ上で、今度は全員一緒に、トシくん先生のインストラクションに合わせて、ゆっくりと繊細に意識的にトリコナーサナのポーズをとります。身体を規定フォーム(完成形とというアライメント)にガチガチにはめ込むのではなく、身体が自然と動いてくれる方向へ静かに任せるので、無理がなく、安定しています。とても自然で、自由で、解放されたトリコナーサナは、5呼吸どころか、何呼吸でもできそうです。まさに、スティラでスッカム、これなら心もブレません。

みなさん普段アシュタンガの練習をされているからか、慣れ親しんだポーズでの応用は、その変化が分かりやすかったようです。でも、ここに至る手探りの時間があったからこそ、その花開く様が実感できたのではないでしょうか?穿った見方をすれば、もしこのWSが最初からポーズへの応用であったら、多分私達は、いつもの”もっともっと深く、先へ”と、新しい何かを求める「エンドゲイナー」的執着に駆られてしまい、このWSの本来の目的からすると、まさに「本末転倒」になってしまったような気がしてなりません。

求める心、欲に駆られた心を、いかに静め、自然に周囲や環境やコンディションと調和しつつ、自由で自然に「いまここ」に佇むように在ることができるか・・・、そんなアレクサンダーテクニークの芯となる部分を、まさに体現したような、自然で自由なWSとなったのも、場の自然な流れに任せていくトシくん先生の勇気があったからこそです。

 

そういえば、ポーズへの応用をしているときに、こんな質問がありました。

質問:「このポーズ(トリコナーサナ)で、足の親指を取ろうとして捻りの要素を入れるのと、手をあまり下に下ろさずに股関節に働きかけるのと、どちらが良いのでしょうか?」

返答:「ヨガの流派や先生によって、確かにポーズのとり方が異なりますが、なにが正しいというより大切なのは、私達自身がどのような価値観に基づいてヨガを行っているのか、なのではないでしょうか?」

確かに、アレクサンダーテクニークにしろ、それを応用したアシュタンガヨガの練習にしろ、最終的な完成形や正しい方法といった、「先生がくれる回答」など、ないのだと思います。ただそこには、自身の在り方のヒントが沢山あり、生きる上でのツールとして活用することが可能です。カタチやドグマに翻弄されることなく、その本質に気づき、そして実際に体現する勇気を持ったときに初めて、そこに大きな変容が始まるのかもしれません。

トシくん先生、参加されたみなさま、今回もたくさんの学びと気づきをありがとうございました。

今回も、参加された方々から沢山のフィードバックがありましたので、下記にご紹介します。

 

【Aさん・初めての参加の方】
WS前
筋力まかせでアサナを行ったり、どんどんポーズを進めることを求められることに違和感を感じはじめ、ヨガの練習によって自由になりたかったはずが、窮屈に感じていることに気づき、なぜ練習をしているのか、本当はどんな練習をしたいのか・・・ 自分の練習を見直したい、色々と考え直したい、と思っていた矢先に、このWSに巡りあいました。

WS後
目からウロコでした。「意識をすることから全てが変わる」、という今後の指針をいただいた気がします。これまで無意識のうちに、自分自身のマインドによって、身体にかなりの負担をかけていたのだと実感。アサナや肉体を超えた部分や、日常における精神面でも活かせるヒントをいただきました。アシュタンガの練習においても、バンダやドリスティについて、これまでの認識を覆されました。アレクサンダーテクニーク的意識をすることで、今後のアシュタンガヨガの練習が本当に「動く瞑想」となるのだろうと思います。

【Bさん・初めての参加】
WS前
快適な日常が送れるヒントがあればいいな、と思い参加しました。

WS後
頚椎と頭蓋骨の接点から生まれる、開放された自由な感覚を体感できたのが最大の喜びでした。これからも少しずつ身につくように、毎日の一瞬一瞬を意識的に、大切にしていきたいです。初めて自転車の練習をするような感じです。知らないことを知るのは、本当に楽しいですね。これからの人生が、楽しみです。ありがとうございました。

【Cさん・2回目の参加】
長年にわたる背骨の押し潰しの姿勢が、現在のカラダの歪み&首の不調の根本原因だったという事を実感しました。

そして私は、その悩みの解決方法を、整体、マッサージ、鍼、整形 外科、骨盤体操、そして今はヨガのアサナなど、常に「何か」に求 めては失望していましたが、治せるのは自分の意識以外にはないと いう事に気付きました。

自分次第というのは、自分の内面に対する洞察力やモチベーション の維持、今までの悪い癖に戻りたいという欲望との戦い、空間をイ メージする力、正しい頭と首のアライメントを心地よく感じ取る感 覚を覚える、外側の刺激を感じ取る力、などなど、ハードルが高す ぎてとてもすぐにマスター出来る事ではないけれど、出来ない事に 失望する必要は無く、遥か遠くに見つけた道しるべをめざしてゆっ くり進んで行けばよいのでは?と私なりに解釈しました。

またそれは過去を反省し、自分に寛容になり、時に辛抱して、自分を静観し て、外との繋がりを意識する事に繋がり、人生の学びと同じに思え てきました。

頭と首のアライメントを正してからポーズに入ったトリコナーサナ はとても気持ち良く呼吸出来て、今までアサナを取る前ににどれだ け力を込めて準備していたのかが実感出来ました。

これからは、何かに頼る事を考えず自分で心地の良い体を模索する 道を歩んで行こうと思います。

【Dさん・2回目の参加】
アレクサンダーテクニークは未知な状態での参加だったのですが
トシくん先生のふんわりビンヤサを見て、
これは参加するしか!と思って参加しました。

感想は、言葉で伝えるのはとても難しいですが、
とにかく首と頭の接点、頭の上に広がる空間を意識して、とか
背骨を押し潰してない状態にする、とか
「頭に始まり頭に終わる」をWS翌日、翌々日、と数日意識して解ったのは
いろんな場面で、あ、また潰してる。が常にあること。
アゴ上向きで背骨や肩に、こんな常に負荷かけてた事にほんとにびっくり。

本当に、言われないとまったく気付かなかったけど、
日常生活のなかでほぼ100%に近い状態で背骨を押しつぶしてる。
気付いて頭を意識すると体がフワッとなる。楽。明らかに。
なのにすぐアゴが上向き、猫背になる。
そっちの方が肩がすくんで変な力が入ってしんどいのに。
習慣になってるという事について、WSではそんなに実感しなかったけど
習慣ってこういうことなんだ、と終わってからジワジワ実感。

正直、「その習慣をやめる」という事について
まぁ、ヨガ的に言うとみんな好きなあれでしょ?手放すとか。
そうかもしれないけど結局新しくその「意識する」をやるんでしょう?
なんてひねくれた気持ちでいたけど
意識した時の首や背骨のフラット感、フワッと感、これを感じると
「やめる」んだ「手放す」んだとしっくりきた。
私、ひねくれ者でした。ごめんなさい(笑

その後自宅で頭を意識してアシュタンガの練習してみました。
なんと、上半身が軽く感じる。

とっても不思議です。

頭の重さが変わる訳ではないのに軽く感じたり、
あとは、良いか悪いかはわからないけど腕の重みを初めて感じたり。
腕重っ!です。

WSの中で得たものはヒントや意識するキッカケ、感じるキッカケのような事で
あとは実践で実際やってみて確認、発見、実感できることが、多かった。

アシュタンガもそうだけど、自分でやる中で色々気付いていくプロセスが大事そうだ、と感じました。

変化があるのか、ないのか、楽しみだけど
とにかくすぐ猫背になっちゃうので次回まで諦めずにやってみます。
控えめなまっすぐ。

ヨガに関係ないオマケ感想ですが、
茶道をやってるんですけど、点前(てまえ。お茶をたてる作法)も
順番はきまっているけど人それぞれクセがあって
それって言われないと気づくのはとても、すごく、ウルトラ難しい。
もてなされてるなと相手に感じて貰うとか、
変な緊張を感じさせないで気持ちよくいて貰うためには
そんないろんなクセを取ったり
力を入れたり抜いたり、意識したりがある。(と思ってる)
トシくん先生の立ち居振る舞い、姿勢を見て、あと実際やってみて
アレクサンダーは点前にも取り入れられると確信しました。
ヒントを貰いました。
すごく嬉しい。ありがとう!

【Eさん・2回目の参加】
今回で2回目ですが、前回のWSで分かったと思っていたことが、実はまだまだで、今回トシくん先生の丁寧な説明を聞きながら、あらためて納得することがたくさんありました。

トシくん先生のレッスンは、言葉の一つ一つがわかりやすく、ご自分が学んでいることを、誠実に私たちに伝えよう・シェアしようとする姿勢が伝わってきて、とてもありがたいなと、感謝です。

「アレクサンダーテク二ーク」は、自分の中に本来あるものに気づくこと・・・それは手放すことで見つかるかもしれないこと。そして、そこに至るプロセスがとても大切。具体的なプロセスを少しずつ自分の日常生活の中で試してみながら、その変化(まだまだ現れていないことも含めて)を楽しんでいます。

ヨガの練習でいえば、アシュタンガを始めたばかりなのに、できること・到達することにこだわっていたのが、練習すること、それ自体が楽しく、できないことも面白く感じています。

もちろん、できること・練習してできたことは、とても嬉しいのですが、それ以上に形(ポーズ、アサナというのでしょうか)として現れる以前というか、その過程(プロセス)を味わうことが面白いです。

トシくん先生の、「トップジョイントを思い出し、頭のてっぺんから足先までを思い出し、背面を思い出し・・・意識を内側に向けすぎず、外にも向けながら・・・」を、普段も思い出しています(といっても、練習中は常に意識しているわけではないのですが)

【Fさん・2回目の参加】
前回は正直あまりピンとこなかったのですが、今日実際にポーズをとってみた時に気づきがストンと落ちてきた。意識のバランスをうまくとることによって無駄な力が抜けて、素直にアサナを受け入れられた。ずっとそのままでいられそうなくらい楽だったので、苦手な立ちポーズを好きになれそうな気がした。

体得には時間がかかりそうだけど、一年後にはかなり変わっているはずというトシ君先生の言葉を信じて訓練していきたい。

首の付け根とバンダとどちらを意識すれば?という質問へのトシくん先生の回答が、ダン先生がおっしゃっていた、「バンダが迎えに来てくれる」という話に通じる気がしました。体得してる方々の言葉は重たいですね。

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