アラマキトシヒロ先生による年末マイソールクラスレポート

12月30日&31日の2日間、鎌倉での年末マイソールクラスに特別参加してくださったトシくん先生による、アレクサンダーテクニーク的アプローチによるマイソールクラスのレポートです。トシくん先生ならではの、AT的な繊細かつ明晰な視点と気づきをシェアしていただきましたので、ぜひともご一読ください!

アレクサンダーテクニーク的アプローチによるマイソールクラス
by アラマキトシヒロ

去る12月30日、31日、年の瀬迫る古都鎌倉。

2012年を締めくくるこの2日間、いつもお世話になっている『エイトヨガ』主催のユミコさんの開催するマイソールクラスに、アレクサンダーテクニークティーチャー兼アシスタントとして参加させていただきました。

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マイソールクラスとは僕の実践するアシュタンガヨガの伝統的な自主練クラスのことを指し、先生やそのアシスタントは生徒の必要に応じて生徒の手助する、というスタイルのクラスです。

今回の僕の役割は、それぞれの生徒さんが自分のペースで練習をするなかでアレクサンダーテクニークを応用してもらい、心身にかかった余計なキンチョウを減らすことでポーズや呼吸にどのような影響が及ぶのかを、実際に体験していただくことでした。そしてそれが普段の練習にどのように活かしていけるのか、生徒さんと一緒に探求し、お互いに学んでいくことが、今回の目的でした。

会場である大町会館は、僕が約3年前に初めてアシュタンガヨガを教わった思い出の地でもあります。まさかそこに自分がこんなかたちで戻ってこられることになるとは・・・。素敵な機会を設けてくださったユミコさんに感謝です!

久しぶりの懐かしい道のりに迷いながらも無事到着すると、目の前にはthe町内会館というような雰囲気を漂わせた木造建築の味のある建物。きしむ階段を上がり、すでに練習を開始していたユミコさんに混じり、早速自分も練習を開始しました。畳の部屋での練習は、以前にここを訪れて以来久しぶりの体験です。いつもと違う感覚に戸惑いながらも無事に自分の練習を終えると、徐々に生徒さん達もみえ始め、僕にとって今年最後の大きな試みとなる、アレクサンダーテクニークのヨガポーズへの応用を、マイソールクラスという実践の場で体験していただくお手伝いの時間がやってきました。

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基本的に、生徒さんには普段とまったく同じ練習をしていただき、サポートを必要とする方に対して僕がアジャストをさせていただく、という普通のマイソールクラスと同様なかたちで生徒さんと関わっていくのですが、今回のクラスでは、必ずしも”出来ていない”、”安定していない”、またいわゆる”完成形ではない”ポーズに対してのみアジャストを行うのではない、という点が通常のクラスと大きく異なります。

これはアレクサンダーテクニーク(以下AT)の性質により、ひとつの行為を『どのように』行うかというところに鋭く着目していくためです。

一見サポートを必要としていないように見える完璧そうなポーズでも、そのポーズを行うのに不必要なキンチョウというのは、ATを学べば学ぶほど、自分自身についても他人に対しても、大抵において見えてきます。

たとえばパシュチモッタナーサナ。

このアーサナは長座で前屈するという、ポーズとしてはごく単純なものです。「果たして”余計なキンチョウ”などありえるのだろうか?」なんて声が聞こえてきそうですが、僕自身のATとヨガにおける実践と学びによると、パシュチモッタナーサナのような一見簡単なポーズでさえも、実は余計なキンチョウや不必要なキンチョウは充分起こりえるのです。

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よくシャバーサナ(死体のポーズ、仰向けで寝るポーズ)は難しい、なんて言いますよね?

部分的には、それと似てるのかもしれません。おそらくシャバーサナは、見た目でいうともっとも簡単なポーズで、誰もが仰向けで横になれます。ヨガの流派や指導者の方針などによって、理想とする完成形のポーズは違ってくるかもしれませんが、基本的にシャバアーサナにおいては誰もがいわゆる完成形です。では、このポーズが難しいという言葉の意図する意味は、一体なんなんでしょうか?

僕の現時点での解釈によれば、シャバーサナやパシュチモッタナーサナのような簡単なポーズにおいてでさえ、「不必要なキンチョウに気づいて、それをやめることは、とても難しい」、ということではないかと考えています。

すなわち一見完成形に見えるポーズでも、実は本人の気づかぬところで不必要なキンチョウとういうのは往々にして起こり、しかもそれは自分で気づきにくく、そのため止めていくのは至難の技であるということです。

ATでは、この不必要なキンチョウを止めてもらう・気づいてもらう、という作業を繊細に繊細に行っていきます。それによってキンチョウから解放された結果、ポーズや呼吸が楽になったり、柔軟性が増し、これらの変化によって、アシュタンガヨガにかかせないヴィンヤサにも大きな影響を与えることとなります。

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今回の2日間マイソールでは、両日ともに10人前後もの生徒さん達にお集まりいただき、まだ始めたばかりの方、週末だけヨガを実践する方、中には僕の数倍も長く練習を継続されている方など、幅の広い方々に対して、果たして僕が提供できることがあるのだろうか?、と不安な気持ちもありつつ(笑)のスタートでしたが、始まってしまえば後は今までの学びを生徒さんと共有することに集中するのみです。

まだまだ短い期間ながらも自分の毎朝の練習、ATにおける学び、また昨年から行っているWS【アシュタンギのためのアレクサンダーテクニーク】で感じた確かな手ごたえを信じて、AT的アジャストを生徒さん全員に行わせていただきました。

ATでは主に頭(頭蓋骨)と脊椎(背骨)の関係性(頭蓋骨が背骨にどのような状態で乗っているのか、バランスをとっているのか)に着目し、教師はその関係性における自由さにアプローチしていきます。ですから教師は首筋や頭の辺りに手を置くことから始めることが多く、一般的なヨガにおけるアジャストとは見た目からして随分異なっていることと思います。

生徒さんもおそらく初めてのアジャストに少々戸惑いを感じたかもしれませんが、それ以上にその結果として起こる楽さ、呼吸や柔軟性の変化具合、さらには全体的なポーズの深まり具合にところどころ驚かれている様子でした。

また不必要なキンチョウというのは、自分の体に対する”解剖学的に間違った認識”によっても起こるため、生徒さんに”解剖学的な事実”を知っていただくことで、さらに不必要なキンチョウを手放せたのではないかと感じました。

そして嬉しかったのは、昨年のWSから継続して参加してくださっていた方が、以前見た時よりもさらにキンチョウを手放し、注意深いプロセスを経てポーズをとられていたことです。

そこにはポーズとしての深まり具合はもちろん、まるですべての気づきに通じるナニかを、そのポーズにいたるプロセスの中で具現化しているようにさえ感じさせてくれました。そのプロセス自体に、ヨガというツールにおける自己探求の現場を垣間見たように思います。

真剣に取組んでくれた、今回参加してくださった皆様。本当にどうもありがとうございました!

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無事に二日間クラスも終えることができ、2012年も残すところあとわずかな最後の最後で、このようなクラスをもたせていただいたのは本当にラッキーなことでした。

僕が今回学んだことは、なにより改めてATはヨガに本当に役にたつんだな、と自分以外の誰か、生徒さんを通じて確信できたことです。

今年(2013年)は昨年のこの確信をより多くのアシュタンギ、それ以外の流派のヨギーと共有し、多くの人にこの実用的なテクニックを紹介していきたいと思います。

本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

アラマキトシヒロ

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